私たちが家具を製造する過程において、品質上問題なく使用できる材 料にも関わらず、「節がある」という理由だけでその部分は取り除かれて しまいます。そのために、大量の廃材が発生し、その多くは焼却され ます。過剰な美意識と合理主義のため、森の恵みを活かし切れずにきてしまったのです。
本来、森林は時間とともに成長する再生可能な資源です。森林を適切 に管理できれば、将来にわたって使い続けることができます。 しかし、世界の森林は、毎年1300万ヘクタール(日本の国土の約1/3 に相当)が失われ続け、依然として減少の一途をたどっています。
美しさの定義が世界中で見直されている今、私たちも天然木を使用し た「家具における美しさ」の定義も見直す時期に来ていると考えます。 木が自然な形で称賛されるということは、侘び寂びの精神を重んじ、 不完全なものに美しさを見出すだけでなく、環境を保全しながら、森 林資源を持続可能な形で利用していくことにもつながります。
これまでには好ましくないと思われていた「節」も、今ではその独特の 風合いと見た目から天然木である証として、人工的に作られた材料と の違いを示す指標となっています。「節」こそ、天然木である証なのです。
私たちは貴重な天然資源を扱うものとして、これからも天然木の美しさを伝えていきたいと考えております。